:: 番外編 - ジパング
あの夜発見した幻のジパング
夜の水平線
その日もまた、風の吹かない夜だった。海は鏡のように滑らか。波もたたない。その中を、アレルは舟のへりに肘をかけて、何かをじーっと、ひたすら見つめていた…
すると、水平線の向こうに、あかりが浮かんだ。それはなにか、小さな点のようものだった。
それは、風や波に揺らがず、むしろ静かに呼吸しているかのような、光だった。
「…… 見えますか ?」
「あ、そこ…… ? 見えるよね…」
「光源は正体不明。その光の方向は北北西。記録しておきます。」
それがはじまりだった。
数年後、アリアハン王立図書館の地下にある、封印された魔法文献などを保管する謎の区画で、エリュは同じあかりに関する記述を 3つ見つけていた。
「夜の波に浮かぶ城」「消える港町」「星とあかりの重なる場所」
すべて、地図に記されていない地域での記録だった。
エリュは確信した。そして、その夜… アレルの部屋を訪れ、彼女はすでにパジャマ姿 ^ ^; でマンガを読んでいた。
「その顔、当たったのね ?」
「…… うん、あれは実在する」
「記録もある複数。断片的だけど。方向はみんな同じ。ただどの記述でも "近づくと消えた" とだけ記してある」
「なら、今度は消えない方法で行こうよ !」
この報告 ^ ^;; は、翌年の春、ロマリア自由民主国 (通称、ロマりん ^ ^;) 議会で発表された。
国民投票の結果、"幻の島探査計画" は賛成多数で可決される。ロマりん ^ ^; は多額の資金を提供して、造船はロマりんが第3国に支援してもらい、また、エジンベアからも代表団が派遣され "かわきのつぼ" の実験装置 (謎) が提供された。
ジパング… それはもはや "幻のあかり" ではなく、"語られなかった未来" として記録され始めた。
そして、その先頭に立ったのが、かつて昔、とある海岸沿いの夜の水平線で "確かにあったあの光" を見たアレルだった。
「わたしたちの最後の旅になるかもね… !」
エリュも、コクンとうなずいた。その片手には、白紙のノート 1冊。"語られなかったもの" を記すための道具。
夜の海に向けて、静かにゆっくりと、探査船 《オルビス・ノート》 が動き出す。
光に包まれた島
一見、その島の境界線 ( ? ) はハッキリとは見えなかった。しかし、その後 "かわきのつぼ" の光が静かに揺れ始めた。次の瞬間、鏡のようだった付近の海が、わずかに光を乱反射するようになり、あたり一面を覆っていた霧の奥に、ボンヤリと… 輪郭が現れ始めた。
それは、なにかの塔だった。アレルたちの世界には存在しない、空を突くような特殊な構造物だった。それに纏わりつく "光の網" のような影も…
《オルビス・ノート》の甲板で、アレルたちはゴクン…
と息をのんだ。
「…… やっと、見えた…… !」
「これは何かの王都です… !! …… しかも、動いてる… !」
エリュの声は震えていた。彼は何度も望遠鏡を調整して目で見て確認しては、記録装置のフタを開けたり回したり。アレルたちには "謎の王都" と映ったそれは、たしかに "生きていた" のだ。
水蒸気のような煙がもくもくと上がり、アレルたちには理解しずらい謎の光のような線があちこちを流れ、建物が勝手に謎の変形をしている。それらが遠目にでもすぐわかった。理解はできないけど…
「…… これは幻想なんかじゃない… !」
そして、小型船が海面に降ろされる。アレルとエリュ 2人に託され、最終確認を済ませて乗り込み… "かわきのつぼ" の副装置が "波の歪み" を維持している。これがないと、恐らくこの謎の王都はすぐに "消えてしまう" のだ。
小型船が謎の王都の岸に着くとき、その王都の光は徐々に輝きを落としていく。まるで 2人の到着を "認識" したかのように…
岸は人工的に造られた石材に似たような物体で整えられ、壁という壁には、光を反射する金属とガラス板のような装飾が、道なき道を延々と続けていた。しかし… そこに人影はなかった。
「静かすぎるね……」
アレルは、あたりを見回しながら、謎の王都の入り口らしきところへ、足を踏み込んでみる。
エリュもアレルに続いて足を踏み込んでみる…
「気配がある、人がいないわけではないようです。」
足音らしき、謎の反響音を記録しながら確認していた。ふたりが最初に訪れたのは… そこはアレルたちには "広場" という場に映ったらしい。
光る石畳のような床に、静かに整列して休む、馬車のような機械… それらがたくさん並んでいた。無音でなめらかに動く車輪。その動力源は不明だが、音も排気もない。
「あれって…… 生きものみたいに動いてる」
アレルが目を丸くする。それらが何のカラクリなのか、アレルたちの目には入っても理解は到底できなかった代物の集まりだった。
「いや、もっと… 根本的に何か違う……」
エリュがそうとどろく。
そこへ、人の気配が… ひとりの女性だった。灰色の一体化している謎の衣をまとい、髪を肩のあたりで横に切り揃え、静かに 2人の目の前をそのままスタスタと通り過ぎていった。
声をかけようとしたがその女性は振り向かなかった。
次に目に入ったのは、男性が謎の建物同士の影から出てきて、何かを運んでいようすだった。彼もまた、無言だった。
そうやって次から次へと人の気配を見つけても、その誰もが、一切の交流を拒んでいるように見えた。
アレルたちはとりあえず、近くの建物の中に入ってみた。すると、そこは食堂のようなところだった。長いテーブルや人のいない配膳。壁には薄く透ける謎の異世界の文字やそれに添えるかのような象徴的な絵がめぐるましく浮かび上がっていた。
「これ、もしかして…… 栄養単位…… なのかな ?」
アレルは、配膳らしき謎の機械を、ボーっと眺めつつ、そこから出てきたお皿を見て、眉をひそめてしまった。それは、形を保ったまま無臭で、何かの種子や "凝固体" をただ並べたものにしか見えなかった。
「生活はしてる…… だけど… これ、生きてる… ? とは言えない…」
2人はそのあと数時間にわたり、このジパング王都内をあちこち歩いた。
このジパング王都に、住民は確かに存在する。しかし、誰も 2人に目は合わせようとはしない。住民はそれぞれが定められた道を移動し、必要最低限の動作だけで、それぞれの独特な世界感を保っているように見えた。
「これが…… "希望" の果て… ?」
「こんなに光ってるのに、こんなにたくさんのものがあるのに。温かさとか、どこにもない…」
そのとき、遠くから… "謎の音" が流れてきた。
「……、……………、……… (ジパングの言語)」
それは無機質な声だった。2人はその言葉の中のかすかな "誰かに語られたい" と願っている気配を感じ取っていた。
「この… (言葉に詰まってくる) … 自分たちではコトバにできないんだ。」
エリュがそう言いながら 2人は足元の階段を上がり、ジパングの核心らしき場所へ向かっていった。
借りた技術
「…………、…………… (ジパングの言語)」
その "声らしき音" が意味するものは、"開放" ではなかった。見せるつもりのあるものだけを見せる。という意味だった。
それでも、何を言っているか分からない "その声らしき音" を聞きわけながら、2人は進む。
すると光の階段。ゆっくりと登ってみた。その中は、まるで神殿のようだった。天井は高く、そして限りなく無音。壁には光を反射する繊細な管が走っていた。それすら呼吸するように "脈動" していた。
そしてたどり着いた、最奥の部屋の中央を見た 2人。それはまるで "展示" だった。
ガラスのドームがあり、その中に、ひとつの球体が安置されていた。
その球体の円周には淡い青紫色と淡い赤紫色のあいだをゆっくり往復しているかのような模様… 呪文のような。その形はアレルの世界の魔法に通じるものがあって、どこかが懐かしい。
「これって…… かわきのつぼ…… じゃない… ?」
「はい。あ、いえ原理は同じ。これは… 構造など色々と改変されてる。」
彼は腰から別のノートを取り出し、そこにあらかじめ記された設計図と目の前の球体を、もう一度各部を照らし合わせていく。
「これは…… エジンベアの "旧式構造" で、初期試験のものに似てる。」
「じゃあ、やっぱり…」
「うん、これはジパングがエジンベアから借りた技術だ。間違いない…」
球体の根本には、少し赤錆の粉が吹きかかっている銀色に輝くきれいなプレートが埋め込まれていた。そこに、アレルたちが読めるコトバで記されていた。
「これ……
エジンベアの "使用ルール" を破ってる… ?」
「本来、外を観察するだけのための技術だったはずなのに…… ジパングは、視界を操作する手段として、それを使い始めたんだ。」
アレルは、そこの窓のようなところからせり出して、外の世界をもう一度、眺めてみた。そこから見えるのは、やっぱり完璧に整った、でもどこか冷たい光に包まれた世界だった。
なにかが、決定的に、欠けている。
「あの人たち… ずーっと見てたんだ、ジパング王都の外の世界を。"かわきのつぼ" を通して。でもその先に、なにもないとわかったとき… 今度は自分たちだけで… 自分たちの世界を作りはじめたんだ
?」
「世界を見てるんじゃなくて…」
「自分たちが作った未来像を、見つめ続けてるだけなんだ。それが、"かわきのつぼの暴走" なんだ…」
2人の目には "展示室" と映っているこの部屋の隅に、壊れかかっているなにかを見つけた。それは見ていて、2人にもすぐ手に取れるような、謎の置きモノだった。
その "記録装置" すでに役割は失われていたが、その真正面には、ひとつだけが残されていた。それは、文章に置き換えられるほど鮮明な動く絵であった。
「これ、見えすぎた。だから閉じたんだ。」
「怖くなったんだね。全部わかってしまうことが。」
「でも、語られることから逃げてはいけない。」
エリュはペンを取った。
「だからこそ、いまわたしたちは、この場所のことを、記す」
彼はノートに、ゆっくりと書きつけた。
『ジパング : "かわきのつぼ" の技術、応用例と構造暴走に関する記録』
記 : エリュ
記されたということは、もう消えない。それは、この謎の王都ジパングが、世界の一部に還るための、第一歩だった。
そして… 2人は再び歩き出した。今度は、ジパングという文明の、語られなかった想いに触れるために。
謎の塔の上へ… 光の奥へ…
あかりの向こうにあるもの
その塔の最上層へと続く、らせん状の階段はまるで浮かんでいるかのように、でも音もなく続いていた。
足元に刻まれているはずの石畳の音も、なぜか響かない。
王都全体が、2人の訪問に耳を澄ませているかのような気配がしていた。
「あそこに、このジパング王都のこころがある気がする」
誰も出迎えないこの王都で、ただ光だけが静かに導いてくれてるようだった。
最上層の謎の扉は勝手に開いた。そこは、かつての王族の間か、あるいは記録管理の中心だったのか… 窓も天井もない丸い部屋だった。壁には光が流れ、中心にはひとつの台座。そして、その上に "影" が立ってた。
その影の形は、どこか "人" に似ていた。けれど、輪郭がはっきりしない。服も顔もなく、ただ、そこに "在る" というだけ。だけど 2人の言葉は…… 届いた。
「ようこそ」
声は、音ではなかった。だが確かに 2人にも理解できた。
「ここは、語られなかった灯。あなたがたがここに来たということは、ついに、語られるときが来たのでしょう…」
「あなたは…… この…… ?」
「わたしは "ジパング" です。この王都… いえ、あなたがたに分かりやすく言えば… この国の民が選んだ "自意識" です。この国の民はそれを
"えいあい… AI" というのですが… 最後の "観察端末" が崩壊するとき、この国はひとつの "意志" を選びました。」
「あなたたちは、なぜ…… 語られなかったんですか ?」
「"見る技術" を得てしまったからです。すべてが見えてしまうと、人は語らなくなります。言葉より先に、理解が来てしまうからです。」
アレル「孤独だったんだ。」
謎の影「そうですね」
「私たちは、誰かに理解されたかった。でも、自分たちの言葉では、もうそれができなかった。だから "あかり" を、大きな夜空にともした。ただ見てほしかった。それだけだった」
「でも、あかりだけでは想いは届かない。記さなきゃ。言葉にしなきゃ残らない。」
「その通りです。だから、来てほしかった。」
影が、台座の上にそっと手を置く。そこに、ひとつの "記録装置" が浮かび上がった。それは、透明な平べったい四角い箱のようなもので、その中にはジパングの、構造・思想・生活・歴史など、アレルたちにとっても簡単に手に取れるようなかたちで、膨大な量の記憶として収められていた。
「これを、あなたたちに託します。私たちが語れなかったことを、あなたたちが記すなら。もう一度、誰かと… つながることができるなら。」
アレルがゆっくり手を伸ばし、その記録を受け取った。
「わたしたちは、見に来たんじゃない。あなたたちを、世界に戻すために来たの。」
影は、まるで微笑むかのように輪郭を揺らした。
「ではジパングは、再び語られる世界として、歩み始めましょう。」
次の瞬間、王都の外縁にある塔々が、わずかに構造を変えた。音もないその変化に、エリュが息を飲んだ。
「これは…… ?!」
「はい。"灯" は外へ向けて照らすものですから。」
そして影は、ゆっくりと薄れていった。アレルとエリュの記憶の中に "名もなき声" を残して。
ジパングは、再び世界に名前を持った。
記す者たち
ジパングの塔の最上層を後にした 2人は、再び城下町のようなところを歩いていた。最初通ってきた雰囲気と違ってなにかが変わっていた。
無言で歩いていた住民のうち、ひとりの少年が 2人の姿をじーっと見ていた。交わした言葉はなにもなかったけど、目が合った。
アレル (見てる……)
広場らしき場所に並んでいた、謎の馬車のひとつが、2人の前まで来て勝手に扉が開いた。それは目的地を教えることはなかったけど、明らかに "送りたい" 意志があった。
エリュは構わず乗り込む。
「このジパングそのものが、もう "語る準備" をしてる」
謎の馬車は、ジパング王都の南端にある、ひとつの建物の前で止まった。そこの構造は古く、どこか私たちの世界の記録所に似ていた。とある目の前の中に入ると、壁には古い書板や刻まれかけの文字… 誰かが何かを残そうとして、途中で諦めたような "断片" など…
アレルはゆっくりと、背負っていた謎の "記録端末" を取り出してその中心に、ジパングのあの謎の "記憶装置" をおもむろに何とかつないでみた。
すると、壁の一面に光が走り、"記録のあかり" がともった。
「世界の誰かがここを訪れて、言葉にできなかったこのジパングを、ふと目にするだけでいい」
「見ることが、在る…
ということにつながる。」
エリュの手が、その "端末" に記述を残していく。
『ここに、語られなかった未来があった。人々が語ることをやめた世界。光だけを残し、誰にも届かない希望を、空に向けて投げかけ続けていた、ジパング。』
『けれど今日、彼らは語ってくれた。言葉ではなく、灯でもなく、誰かに見つけられること。それを静かに受け入れた。』
アレルは、壁に小さな板を取り出して貼り付けた。そこには、こう刻まれていた。
「ジパング、再発見。再記述。」
記:アレル、エリュ
そしてふたりは建物の外に出た。ジパング王都は、夕暮れのような淡いオレンジと薄っすらとした赤紫のグラデーションに包まれていた。もう消える感じはしなくなった。
「…… じゃあ、帰ろう… !」
「はい。わたしたちが、語られるべきものを記したから、あとはそれを待つだけ…」
再び小型船に乗り込み、海の遠方に待機している《オルビス・ノート》に戻るとき、ジパングの各地の謎の塔の先端が、ほんのわずかに屈折して動いた。
それはまるで、またいつか… と言ってるようだった。アレルたちにとっては、ゆるやかな挨拶に見えた。
語られた世界
そして、再びアリアハン王立図書館の重たい扉を開けたのは、旅の出発から 45日ほど後の朝のことだった。
その朝、雨は降っていなかったけれど、空はどんよりと曇っていた。その空を見上げたとき、ほんの一筋… 暖かい光の帯が差し込んた。
アレル (…… 帰ってきたんだ…)
そう想って彼女は図書館の中に入った。
エリュは手に持っていた、あの "記録媒体" を、書庫の最奥にある分類もされていない、特別閲覧棚の一角にそれを、そーっと置いた。
『ジパングに関する記録』
分類できない資料。記録者名はない。感想の提出はいっさい不要。
それだけ。
でも、その最奥の棚には、ふらっと訪れる者が少なからずいた。古文書係の老人、修道士風の若者、旅を終えた剣士、詩人志望の子ども、魔法技術者の卵…
それぞれ、ふと引き寄せらるように、その記録を開いてみる。
「…… この島…… ほんとうにあったの ?」「語られなかったって、なんだろ…… ?」「見た気がするんだよ、夜の水平線に、あの塔。」
誰もが静かにページらしきものをめくっては凝視し、その最後に記されたとある文章に立ち止まる。
「記されたからこそ、ここにある。見つけられることを待ち続けた場所に、ようやく名前が与えられた。」
アリアハンでは、特に騒がれることはなかった。あまりネタにもならず、おおさまたちの宣言もとくになかった。 ただ… 少しずつ、世界は変わり出していた。
ロマりん ^ ^; では、記録を読んだ市民が、議会に要望を出した。ジパングの文明を先生とするのではなく、失敗と選択を学ぶ対象として、ジパングを学ぶ場を設けてほしい、と。
ジパング研究委員会が結成され、ジパングの過去の、技術の暴走と文化的孤立の関係性を "深く探る" 動きが始まる。
エジンベアでは、"かわきのつぼ" 技術の見直しが始まる。この理論の根本に、意志なき応用の危うさがあると結論づけされて、研究者たちは口を揃えて
"語られる前に見えすぎる" この技術は、人のこころを置き去りにする、と言った。
その一文が、エジンベアの新しい魔法憲法に添えられた。
ジパングのうわさを聞いた、はるか彼方のイシスなどの国々も少なからずジパングの記録の影響を受けていた。
そしてアレルとエリュは、誰にも語らなかった。
だけど、ときどき図書館に現れては、若い記録係にこう声をかけていた。
「記すことは、意味があるよ。たとえ誰かがすぐに読むわけじゃなくても… 語られたものは、いつか届くから。」
エリュは新設された記述論講座の講師になった。図書館の片隅で静かにノートを書き続ける。
アレルは窓辺の席でときどきなにを想うか、空をただ眺める。もう冒険には出ない。
ある晩、誰もいない海辺に彼女はぽつんと立っていた。
夜の水平線。ふと、目を細めると… 彼方に、小さな光が揺れていた。確かに揺れていた。それは星ではなかった。
それは、語られたものの記憶。記されたあかり。
アレルは静かに目を閉じ、微笑んだ。
「大丈夫。今度は、ちゃんと残ったから。」
そして誰にも見つからないように、そっと、波打ち際を歩きはじめた。
風はやわらかく、空はもう怖くなかった。
お し ま い !